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2018年05月 アーカイブ

2018年05月09日

2018年04月19日 禁煙教育

今年初めての禁煙授業を、和歌山市立藤戸台小学校で行いました。 和歌山市内では大変大きな小学校で、まだまだ生徒数が増えているとのこと。教室が足りなくて大変なご様子でした。6年生 4クラス 153人と4年生 4クラス 160人。体育館兼講堂でみんな座って熱心に聞いてくれました。4年生の担任の先生のお一人は「毎年聞いていますが、聞くごとに たばこを吸わなくてよかった。と実感します」とお話しいただきました。マンモス校で先生の数も多いのですが、校長先生のお話では現在喫煙教師は 0名 とのこと。以前ヘビースモーカーの先生がいらっしゃったのですが、海外の日本語学校へ転勤になったとのことで今は煙のない清潔な学校になったようです。海外の学校が少し心配!

S0765418 畑中さんの授業風景

OLYMPUS DIGITAL CAMERA         わたくしも授業をしました。

2018年05月16日

加熱式タバコや、電子タバコについて

最近、非燃焼、加熱式タバコ、電子タバコがコンビニエンストアでの販売されていますが、店頭の目立つところに設置されています。

日本呼吸器学会から昨年、非燃焼、加熱式タバコ、電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解が発表されました。

以下抜粋です。

1.非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は、健康に悪影響がもたらされる可能性がある。

2.非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用者が呼出したエアロゾルは周囲に拡散するため、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある。従来の燃焼式タバコと同様に、すべての飲食店やバーを含む公共の場所、公共交通機関での使用は認められない。

非燃焼・加熱式タバコや電子タバコは、従来型のタバコ製品(燃焼式タバコ)とは異なる新しいタバコ製品であり、葉タバコを加熱することによりニコチン含有エアロゾルを発生させて吸引するタイプ(非燃焼・加熱式タバコ)、液体(ニコチンを含むもの、あるいは含まないもの)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプ(電子タバコ)とがあります。非燃焼・加熱式タバコやニコチン含有の電子タバコには、従来型の燃焼式タバコと同様に依存性薬物であるニコチンが含まれています。

これらの新型タバコは、「煙が出ない、あるいは煙が見えにくいので禁煙のエリアでも吸える」、「受動喫煙の危険がない」、「従来の燃焼式たばこより健康リスクが少ない」と誤認され、急速な広がりをみせています。そのため、日本呼吸器学会は、新型タバコの国民の健康に対する影響や社会的影響について憂慮し、学会としての見解を示します。

非燃焼・加熱式タバコや電子タバコは、燃焼式タバコをやめられない人、あるいはやめる意志のない人にとっては健康被害の低減につながるとして、従来の燃焼式タバコ使用者は代替品として電子タバコを使用することを推奨する考え方があります。しかし、これらの新型タバコの使用と病気や死亡リスクとの関連性についての科学的証拠が得られるまでには、かなりの時間を要します。現時点では明らかでなく、推測にすぎません。

非燃焼・加熱式タバコの主流煙中に燃焼式タバコとほぼ同レベルのニコチンや揮発性化合物(アクロレイン、ホルムアルデヒド)、約 3 倍のアセナフテン(多芳香環炭化水素物)等の有害物質が含まれていること、が報告されています 。一方、ニコチン入り電子タバコ使用者から検出されるニコチン代謝物は、燃焼式タバコ使用者を基準(100%)とするとほぼ同等量(80 - 200%)が検出されるが、タバコ特異的ニトロソアミンの尿中代謝物は燃焼式タバコ使用者の 1.5 - 4.2%、揮発性有害物質の代謝物は 20 - 60%程度と少ない、とする報告があります 。しかし、体内に有害物質が取り込まれているのは明らかですし、この量が健康被害の低減につながる曝露量なのか、科学的根拠はありません。また、加熱によりエアロゾルを発生させる仕組みは、ニコチン以外のリキッド成分を分解して複雑な混合物を発生させ、発癌性物質に変化することが指摘されています 。葉タバコを加熱してエアロゾルを発生させるタイプの電子タバコでは、土壌中から蓄積した放射線元素のポロニウムも、燃焼式タバコと同様に含有されています。新型タバコは周囲の人々への受動喫煙の危険が指摘されています。「煙が出ない、あるいは煙が見えにくい」とされていますが、特殊なレーザー光を非燃焼・加熱式タバコ使用者の呼気に照射すると、大量のエアロゾルを呼出していることが明白になります。燃焼式タバコ使用者の呼出煙(“見える煙”)と同様に、大量の“見えにくいエアロゾル”を呼出しています。世界保健機構では、「電子タバコのエアロゾルにさらされると、健康に悪影響がもたらされる可能性がある」と指摘しています 。世界保健機構がレビューした複数の研究では、

1)電子タバコ使用者の呼出煙中のニッケルやクロムなどの重金属濃度は、燃焼式タバコの呼出煙よりも高い、

2)PM2.5、ニコチン、アセトアルデヒド、フォルムアルデヒドなどの濃度は燃焼式タバコの呼出煙中より低いが、通常の大気中濃度の 14 - 40 倍(PM2.5)、10 - 115 倍(ニコチン)、2 - 8 倍(アセトアルデヒド)、20%高い(フォルムアルデヒド)、

とされています。

燃焼式タバコの受動喫煙による健康リスクに対しては明確な科学的根拠がありますが、新型タバコの受動喫煙による健康リスクについて科学的証拠を得るにはかなりの時間を要します。有意な健康リスクではないとの主張もありますが、根拠はありません。しかし、“見えにくいエアロゾル”中には通常の大気中濃度を上回る有害物質があるわけですから、「受動喫煙者の健康を脅かす可能性があると考えることが合理的である」、と世界保健機構は述べています 。特に、呼吸器疾患を持つ患者さん、冠動脈疾患をもつ患者さん、などにとっては有害な影響がでることが懸念されます。また、何よりも、このような有害物質を含む呼出煙を吸わされることを望む方はいないでしょう。新型タバコは、従来の燃焼式タバコに比べてタール(タバコ煙中の有害物質のうちの粒子成分)が削減されていますが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品です。

従って、使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は推奨できません。

2018年05月23日

20180523 たばこ問題を考える会和歌山講演会

毎年 5月31日 WHOの「世界禁煙デー」です。それに合わせて ’たばこ問題を考える会和歌山’では講演会を開いています。今年は 5月27日(日曜日)下記のように県立和歌山工業高校で行われます。今年の講師は大阪国際がんセンターの田淵 貴大 先生から「新型たばこの真実」と題してお話しいただきます。新型たばこはニコチンやほかの有害物質がいかにも少ないように宣伝されていますが、研究が進むにつれて病気の原因になる物質は結構入っており、「安全である」と言えるようなものでないことがわかってきています。それだけでなく、いかにも害が少ないように思い込むことによりかえって危険であるともいえます。それと、高校生など「タバコでないから」と思い込むことにより安易に手を出すことになり問題はより深刻と言えます。そのような有益なお話が聞けるので、時間が許す限りぜひご出席ください。予約の必要はありません。参加費は無料です。

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2018年05月30日

2018年世界禁煙デー記念イベントに参加しましょう

2018年世界禁煙デー記念イベント(東京)English translation

2018.5.30に東京で世界禁煙デー記念イベントが東京で開催されます。

2018 World no smoking day commemoration event

「受動喫煙防止はどのように進展させるのか」

[For passive smoking prevention, how can we make progress? ]

【日時】 平成30年5月31日(木) 13:30~15:30(開場12:30)

[Date and time] 31 May 2018 (Thursday) 13:30-15:30 (opening at 12:30)

【会場】 日本医師会館 1 階大講堂(東京都文京区本駒込2-28-16)

[Meeting place] Japan medical association hall, 1st floor, large auditorium (2 Chome-28-16, Honkomagome, Bunkyō-ku, Tōkyō-to 113-0021, Japan)

【主催】 公益社団法人日本医師会、健康日本21推進全国連絡協議会、

たばこと健康問題NGO 協議会(注1、一般社団法人日本禁煙学会

注1構成団体 公益財団法人がん研究振興財団、公益財団法人健康・体力づくり事業財団、公益財団法人日本心臓財団、公益財団法人日本対がん協会、公益財団法人結核予防会

[Organizers]

  • Public interest corporation Japan Medical Association,
  • Health Japan 21 National Promotion Liaison Council,
  • Health Issues with Tobacco NGO Council (1),
  • General incorporated association Japan Society for Tobacco Control

(1)Constituent association of:

  • Public interest incorporated foundation Cancer Research Promotion Foundation,
  • Public interest incorporated foundation foundation Health Foundation,
  • Fitness Training Enterprise Foundation,
  • Public interest incorporated foundation Japan Heart Foundation,
  • Pubic interest incorporated foundation Japan Anti-Cancer Association,
  • Public interest incorporated foundation Tuberculosis Prevention Society

【後援】東京都(予定)、公益社団法人東京都医師会、公益社団法人東京都歯科医師会、公益社団法人東京都看護協会、公益社団法人東京都薬剤師会

[Support]

  • Tokyo metropolitan government (planned),
  • Public interest corporation Tokyo Medical Association,
  • Public interest corporation Tokyo Dental Association,
  • Public interest corporation Tokyo Nursing Society,
  • Public interest corporation Tokyo Pharmacist Association

【参加費】 無料(申込制:先着300 名)

[Participation cost]  free (application limited to the first 300 people)

【次第】 司会: たばこと健康問題NGO 協議会事務局

[Program]  Moderator:  Executive officer of the Health Issues with Tobacco NGO Council

主催者・来賓挨拶 13:30~

Sponsor ・Guest welcome 13:30

① 公益社団法人日本医師会 会長 横倉 義武 様

Chairman of the public interest corporation Japan Medical Association, the honorable Yokokura Yoshitake

② 厚生労働省健康局健康課 課長 正林 督章 様

Manager of the Health Division of the Health Department at the Ministry of Health, Labour and Welfare, the honorable Shobayashi Tokuaki

③ 東京都知事 小池百合子 様

Tokyo governor, the honorable Koike Yuriko

第1 部 13:45~ 講演

Part 1: 13:45~ Lecture

座長 日本禁煙学会 理事長 作田 学 様

Chairman and president of the Japan Society for Tobacco Control, the honorable Manabu Sakuta

① 「タバコゼロ」へ「ミッション」

公益財団法人日本対がん協会 参事 望月友美子 様

New information about the prevention of passive smoking (provisional)

Councilor of the pubic interest incorporated foundation of Japan Anti-Cancer Association, the honorable Mozuki Yumiko

② タバコと心臓病-“ストップ CVD” 〜禁煙・受動喫煙対策は予防・治療の原点〜

岐阜県総合医療センター循環器内科 主任部長 飯田 真美 様

Regarding heart disease from tobacco (provisional)

Director, Department of Cardiology, Gifu prefecture Integrated Medical Care Center, the honorable Iida Mami

第2 部 15:05~ 特別発言

Part 2: 15:05~ Special statement

① 東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する

議員連盟幹事長 参議院議員 松沢 成文 様

Implementing passive smoking regulations at the Tokyo Olympics・Paralympics, Diet caucus secretary general, House of Councilors member, the honorable Matsuzawa Seibun

② 公益社団法人東京都医師会 会長 尾﨑 治夫 様

Chairman of the public interest corporation Japan Medical Association, the honorable Ozaki Haruo

閉会挨拶 15:25~

Closing address 15:25~

たばこと健康問題NGO 協議会会長(公益財団法人 結核予防会 結核研究所名誉所長) 森 亨

Chairman of Health Issues with Tobacco NGO Council (and Honorary Chief of the public interest incorporated foundation Tuberculosis Prevention Society, Tuberculosis Research) Mori Tōru

*事情により、プログラム等は一部変更される可能性があります。ご了承ください。

Depending on circumstances, we might modify the order of the program sections.

【参加申込】締切は5 月25 日(金曜日)まで

メール(fukyu@jatahq.org)またはファックス(03-3292-9208)にて、ご所属・ご氏名・連絡先(メールまたはファックス)をお知らせください。参加証をお知らせいただいた連絡先にお送りします。当日その参加証をプリントアウトしてお持ちください。

[Registration] Deadline on 25 May (Friday)

By e-mail (fukyu@jatahq.org) or fax (03-3292-9208), please send the following information:  your affiliation, full name, contact information (e-mail or fax).  Please also send evidence of membership with organization contact address.  On the day of the event, please bring a printout of this membership information to match your registration information.

【お問い合わせ先】

[Inquires address]

たばこと健康問題NGO協議会

Health Issues with Tobacco NGO Council

事務局(公益財団法人 結核予防会 事業部普及広報課内)

Executive office (inside of the Public Relations Department of the public interest incorporated foundation Tuberculosis Prevention Society)

〒101-0061東京都千代田区神田三崎町1-3-12

1 Chome-3-12 Misakichō, Chiyoda-ku, Tōkyō-to 101-0061, Japan

電話03-3292-9288

Telephone 03-3292-9288

FAX 03-3292-9208

メール fukyu@jatahq.org

e-mail fukyu@jatahq.org

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