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2013年10月02日

第14回講座 インプラントⅠ

別のサイトで依頼を受け投稿した記事を何回かに分けて、載せています。

ご興味のある方は、他の記事ともあわせて読みください。

 

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1.インプラントとは

inpurant


インプラントとは、歯の無くなった場所のあごの骨の中に歯根(歯のねっこ)に相当する柱を立てて、その上に人工の歯を作って食べられるようにすることです。


2.インプラントの必要性

1)
口腔の健康を守り、健康な生活を送るためには、今ある自分の歯を大切にすることが基本です。しかし、事故やその他の原因で歯がなくなり、インプラントが必要になる場合があります。

2)
インプラントは現在とてもよく研究され、ずいぶんよくなってきています。初期に比べていろいろな基礎的学問も、臨床の知見も増えました。とても快適に噛めるケースが増えています。

3)
しかし、『骨の中に異物を入れる』状態になります。これは大変なことなので、よく検討なさってからなさるようおすすめします。


3.インプラントをする前に

1)
なぜ、歯が無くなったのでしょうか?

事故で歯を亡くしたのでしょうか?

あるいは、う蝕虫歯)や歯周病歯槽膿漏)で歯を無くしたのでしょうか?

歯の無くなり方で、残された骨の状態が違います。これはインプラントをするときにとても大切なことです。


また、ご両親からいただいた天然の歯はとてもよい材質で、すばらしい作り方で作られています。

その歯が無くなるのですから、もし、う蝕虫歯)や歯周病歯槽膿漏)でなくなったのなら、口の環境が病気にかかりやすいと考えられます。

その場合、安易にインプラントをすると、天然の歯よりも不十分な状態で入るのですから、よほどブラッシングをはじめとするメインテナンスが十分にできなければなりません。

2)
あごの機能に問題はありませんか?

歯がなくなる原因の一つに、あごの機能不全が関係する場合があります。そのような検査も十分されてから、インプラントをするかどうか決めるようにしましょう。

 

3)
上下のあごの関係は正常ですか?

上下のあごの位置関係も調べる必要があります。正常な関係でない場合、審美的にきれいにならなかったり、機能的に満足できない場合があります。先に関係をよく調べてもらってからインプラントをするかどうか考えるようにしましょう。

4)
インプラントを植立する場所に骨は十分ありますか?

あごの骨の密度、厚み、高さなど骨の状態を十分把握しておかないと、入れたインプラントが十分機能しないことがあります。長く持たないことも考えられます。実際にインプラントをする前に検査で把握しておくことが必要です。

5)
血液性状を含む全身の状態は正常ですか?

貧血や血液の疾患、また、内臓関係に問題がある場合は手術に差し支える場合があります。前もって十分な検査をするようにしましょう。

6)
後々、ブラッシングを含む十分なメインテナンスができますか?

ご両親からもらった、とてもよくできたご自分の歯でも悪くなるのですから、歯ブラシやメインテナンスができなければ、インプラントは機能しなかったり、長く持たないことがあります。また、身体が不自由になったときに面倒を見てくれる歯科医師やヘルパー、あるいはご家族が必要になります。それら将来のことも頭に入れておかれるとよいと思います。

7)
煙草を吸っておられる方は、禁煙してください。

喫煙者はインプラントは、できません。

8)
そのインプラントがダメになった時どうしますか?

今入れてもらったインプラントがダメになったとき、その部分の骨はそのままインプラントをすることができない状態になると考えられます。その時にどうするかについても十分検討しておいてください。骨を再生する手術をするのか、あるいはその時にはブリッジ義歯などでするのかについても考えておかれるとよいと思います。

2013年10月09日

第15回 インプラントⅡ

別のサイトで依頼を受け投稿した記事を何回かに分けて、載せています。

ご興味のある方は、他の記事ともあわせて読みください。

 

 

過去の掲載記事

 

 

 

1.治療過程

1)事前のチェック

治療の前に「インプラントをする前に」で述べたように、まず歯科医によく相談して、自分の全身状態、口腔状態、顎の状態、咬み合わせう蝕虫歯)や歯周病歯槽膿漏)の状態などよく診査してもらい、
インプラントをするのに適しているかどうか。
②後々維持管理がその歯科医師と共にできるかどうか。
③するとしたら骨の量や厚みを増やさないでできるか。
など、いろいろな問題について納得してから実施するようにしましょう。

2)2回手術をする方法(1回で済ませる方法もあります)


  歯の無くなったところの歯肉を開き、インプラントのはいる穴を開けます。(骨の量や密度が少ない場合は骨を作る手術をする必要があり、手術回数が1回増えます)

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   開けた穴にインプラントを入れ固定して、歯肉を閉じます(骨の中の部分が完全に治癒するまで待ちます(約1ヶ月)

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  傷が治り、インプラントと骨がしっかりくっついたら、 歯肉を開き歯を取り付けるための器具を取り付け、 歯肉の上に出す2回目の手術をします。

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歯肉の傷が治ったら、人工の歯をつけるための印象(型)をとります。(歯ができるまで仮歯をいれます)

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歯ができたら、インプラントにしっかりと取り付け固定します。その後、磨き方や手入れの仕方を十分教わります。


2.おわりに


1)インプラントはうまくいけばとても快適に噛めるようになり、十分若返ることができます。現在の歯科医学の恩恵に浴することができると思います。


2)一方で、インプラントは、歯根に本来、備わっている「歯根膜」がありません。ですから歯根膜がもつ、衝撃を緩衝する組織や神経の終末がインプラントには、ないのです。その状態で毎日食事のときに自分の体重に近い力を何百回、何千回とかけるのですから、慎重に検討してから実施してください。


3)ご自分の歯はとてもよくできています。その歯を無くさないように、予防のための受診や、ご自分の手入れを十分にして、もし歯を抜かなければならない場合は、「その歯は本当にだめなのかどうか」について十分説明を受けてください(ほっておくだけほっといて、「何とか残してくれ」というのは問題外)。安易に「インプラントがあるからいいや!」というようなものではありません。くれぐれもご自分の歯を大切にしてください。

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