« 院内技工について | メイン | 2016年05月19日(木曜日)藤戸台小学校授業 »

子供と口臭

子供なのに口臭?

口臭の問題は、単科では解決できないことがありますが、最終的には、全身的な問題や、精神的問題、生活習慣上の問題などが、口腔生理に影響を与えて口腔内が発生源となることが多いです。ほとんどが、口腔内奥の3分の1の領域に問題をかかえます。
非常に多くの関連因子が関与して複雑に連鎖しながら口臭を誘発します。口臭自体は、本来的に健康な人にも存在するために、問題視しない先生が多いのです。 もともと、胃腸が弱いと思われる子であれば、口腔の消化器としての機能が低下していることが考えられます。咀嚼習慣や食生活習慣を見直す必要があるかもしれません。 また、子供に舌磨きをさせているのであれば、直ちにやめるべきです。とりわけ、小児の舌粘膜は非常に繊細です。粘膜構造を考えると、顔の表面の皮膚粘膜とは比較にならないくらい繊細です。
あなたは、子どもの顔を舌磨き用のブラシを使って磨く勇気はありますか?あるいは、目の粘膜をブラシでこする勇気がありますか?多くの場合は、舌を磨くことは習慣になっていきますから、結局は口臭を解決できないばかりか、舌表面の舌乳頭を傷つけ、その結果、乾燥や過敏な状態は悪化していくでしょう。さらには唾液の質の低下、唾液臭の発生につながっていくでしょう。小児の場合は、磨き方によっては味覚障害を引き起こすと思います。
長期の舌粘膜への物理的刺激は、口腔内の癌を誘発する可能性もあります。 最近は小児の口臭を気にして来院される方が増えましたが、大切なことは、子どもに過剰なプレッシャーを与えないことです。成人の深刻な生理的口臭症は、小児時代の母親の口臭に指摘が引き金になっていることが多いからです。
小児の口臭治療では小児に与える精神的ストレスに対するフォローも大切になります。

About

2016年05月18日 08:31に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「院内技工について」です。

次の投稿は「2016年05月19日(木曜日)藤戸台小学校授業」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。