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20110614 歯科材料

2011年6月14日(火曜日) 歯科材料

私たちが患者さんのために使用する材料は材質その他の点でできるだけ良質のものを使いたいと考え、文献その他の資料でよく選んで使っています。今日ご紹介するのは「コンポジットレジン」といえわれるもので、マイクロメータ(ミクロン)サイズのセラミック粒子を特別の波長の光で固まる高分子の化合物で包み込んだものです。昔は「アマルガム」という銀と水銀を練り合わせたものを歯につめていました。これもとてもよい材料で、30年以上前に私の父親が治療してつめたものがいまだにそのままお使いいただいているケースもあります。しかし、最近は水銀を含んだ合金(無機水銀なので問題はないはずですが)はあまり好まれない傾向があり、新たに歯と接着する材料が開発されました。コンポジットレジンは今でこそ普通に使われますが、私が和歌山に帰った28年前から使い始めましたが、そのころはまだほとんどの歯科医師が使っていませんでした。今日見ていただく写真に写っているのはコンポジットレジンと、それを詰めるための’ガン(充填器)’と光で固めるための光重合器です。これはイボクラール社といってリヒテンシュタインという小さな国(スイスとオーストリアの間にある小さな国で、インスブルックオリンピックが開かれたところです)で作られたものです。コンポジットレジンはいろいろな国のいろいろな会社で作られていますが、私はこれが一番よいと思って使っています(最近国産の中にもこれと同等のものが開発されています)。私が使い始めた何年か後にアメリカ歯科医師会の機関紙(JADA)という雑誌(よい論文が掲載されます)にアラバマ大学で5年間に充填した各メーカーの材料を比較した結果が出ましたが、イボクラール社のものが最もよい成績でした。このように、他の材料も含め、現在私たちが手に入れることができる材料で、できるだけ患者さんのためによいと思われるものを選択して治療に使っています。

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写真をクリックすると、当医院の使用器機が、拡大されます。

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2011年06月15日 09:00に投稿されたエントリーのページです。

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