はじめに
口臭でお悩みの方は、
1.自分では気がついていないが、周りから「口くさいのと違う?」と言われる人。(他臭症)
2.まわりの人は「ぜんぜん臭わないわ!」と言ってくれるが、かつて(中学生や高校生時代)「あなた口くさい!」と言われて、
それ以来ず~と、自分の口臭に悩んでいる人。(自臭症)に分けられます。
自臭症と他臭症
1.自臭症の方は、ご自分で悩んでいる方がほとんどです。
歯科治療を続けている人で、待合室に「口臭治療」のポスターを貼った直後に、こっそりと「実は私も長年悩んでいます」と打ち明けてくれた患者さんに驚いたことがあります。
このように長年他人に打ち明けられず、一人悩んでいる方が結構多いのです。大きな病院へ行って、口臭値の測定をしてもらっても
「数値は低いからあなたは正常です」と治療をしてもらえず、次々といろいろな診療科を受診している人がいます。これが自臭症の特徴です。
2.一方、他臭症の方は、ご自分では「健康で、何の問題も感じていない」。
しかし、家庭で奥様から「あなた口くさいわよ!」とか、娘さんから「お父さん臭いから、いや!」と言われて、
やっと歯科医院を訪れる人がいます。あるいは奥様に袖を引っ張られて来院する方もいらっしゃいます。このように、
自分では何の問題も感じていないことが大問題になります。
臭いの元
・臭いの元は、ほとんど口の中に入った食べ物が、口の中にいる微生物(細菌や原虫など)により分解された産物の、いわゆる
「細菌のウンコ」の臭いです。
・たまに、「息がくさい」と言われて「胃が悪いのかな?」と思う人がいますが、これは、便秘などにより腸内にたまったガスが、
血液に吸収され、肺に入り、それが息をするときに口から出てくるものがほとんどです。運動をするなど便秘を解消すると、
このような臭いはなくなることがあります。
におい物質には次のようなものがあります。
1.アンモニアやインドールなど:これはタンパク質が嫌気性菌により分解されたものです。
2.メチルメルカプタンや硫化水素など:これはシステインやメチオニンという硫黄を含んだアミノ酸
(含硫アミノ酸という生き物の体を構成している重要な成分)が分解されて生じる揮発性硫黄化合物(硫化物)。
3.低級脂肪酸(酢酸、酪酸など)やアルコール、アセトンなど:グルコース(糖)やグルタミン酸(アミノ酸の一種)などが嫌気的
(酸素を使わないで)に分解(発酵)されて生じる。
臭いの元はどうして口の中でできるの?
口の中の常在微生物は500種類以上いると言われています。
この中で、歯磨きが十分できているお口では、主に酸産生菌というどちらかというと善玉細菌が主流で、
臭気物質の産生能は少ないとされています。
一方、歯磨きが十分でない汚いお口の中は、偏性嫌気性、グラム陰性桿菌やスピロヘータという悪玉菌が多くなります。
これらは私たちが食べたタンパク質を嫌気的に分解する酵素を作り、アンモニアやアミンを産生し、
含硫アミノ酸からメチルメルカプタンや硫化水素を作り、グルコースやグルタミン酸を嫌気的に分解して、酢酸、酪酸などの臭い物質を作ります。
だから、歯磨きを十分していない人のお口は臭いのです。
臭いの元になる口腔環境
口臭の原因になる口腔内の偏性嫌気性微生物が住みやすい状態になっていると臭いが出やすくなります。
1.口腔清掃が十分でない。プラークがたくさんたまっている。
2.被せたものや詰めたものが細菌のたまりやすい形になっている。(被せたり、
詰めたりしたときに
合っていても、歯肉の退縮やその他の条件により合わなくなっていることがある)。
3.口をあまり動かさないので、唾液の流出量が少ない。あるいは、舌も動いていないので、
口腔内
の酸素が少ない状態(緊張してもなる)。
臭いの測定方法
1.官能的口臭測定法
これは、患者さんに3分間口を閉じ(鼻で呼吸)てもらい、時間が来れば、息を止めたまま開口。開いた口の間に術者の鼻を近づけ、
口の中のガスを吸い込んで臭いの種類と強さを判定します。
2.機械的口臭測定法
機械の名前
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測定する臭い
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MS-ハリメータ
ブレストロン
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揮発性硫黄化合物 |
オーラルクロマ
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硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド |
アテイン
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アンモニア |
BBチェッカー
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揮発性硫黄化合物、揮発性窒素化合物、有機酸、アルコール類を含む、その他の悪臭ガス成分
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臭いを消す方法
臭いを消す方法は、臭いを出さないようにすることです。
1) 常に口腔を清潔にすること。
2) 水分を常に補給したり、身体を動かして緊張を取るなど、唾液が出やすい状態を作ること。
3) 口の中の嫌気性菌が増えにくい環境を作ること。
4) 舌や、口の中の筋肉を緊張させないこと。お話をしたり、
発声練習をしたり、
口の中に酸素を取り込むようにすること。
5) 口腔粘膜が剥離するような、化学合成の歯磨き剤などを使って、
舌や歯を
ごしごし磨かないようにすること。
6) 便秘症などの治療を受け、腸内にガスがたまりにくい状態を作ること。
7) 自己免疫疾患などがある場合、その治療を受けて、
医師の指導のもとできっちりと
コントロールしてもらうこと。
・市販されている臭いを消す薬剤などには、他の臭いで、口臭を紛らわせることを目的としたものがあります。できれば、
口臭の発生原因をしっかりと突き止めて、根本的に治療なさることをおすすめします。
・そのために、検査機器をそろえて、
できるだけ多くの患者さんの悩みを解消しようとしている口臭治療のグループがあります。
エクササイズ
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如何でしたか?
口臭治療は現在ずいぶん新しい方法が考えられてきています。
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