・臭いの元は、ほとんど口の中に入った食べ物が、口の中にいる微生物(細菌や原虫など)により分解された産物の、いわゆる
「細菌のウンコ」の臭いです。
・たまに、「息がくさい」と言われて「胃が悪いのかな?」と思う人がいますが、これは、便秘などにより腸内にたまったガスが、
血液に吸収され、肺に入り、それが息をするときに口から出てくるものがほとんどです。運動をするなど便秘を解消すると、
このような臭いはなくなることがあります。
におい物質には次のようなものがあります。
1.アンモニアやインドールなど:これはタンパク質が嫌気性菌により分解されたものです。
2.メチルメルカプタンや硫化水素など:これはシステインやメチオニンという硫黄を含んだアミノ酸
(含硫アミノ酸という生き物の体を構成している重要な成分)が分解されて生じる揮発性硫黄化合物(硫化物)。
3.低級脂肪酸(酢酸、酪酸など)やアルコール、アセトンなど:グルコース(糖)やグルタミン酸(アミノ酸の一種)などが嫌気的
(酸素を使わないで)に分解(発酵)されて生じる。
臭いの元はどうして口の中でできるの?
口の中の常在微生物は500種類以上いると言われています。
この中で、歯磨きが十分できているお口では、主に酸産生菌というどちらかというと善玉細菌が主流で、
臭気物質の産生能は少ないとされています。
一方、歯磨きが十分でない汚いお口の中は、偏性嫌気性、グラム陰性桿菌やスピロヘータという悪玉菌が多くなります。
これらは私たちが食べたタンパク質を嫌気的に分解する酵素を作り、アンモニアやアミンを産生し、
含硫アミノ酸からメチルメルカプタンや硫化水素を作り、グルコースやグルタミン酸を嫌気的に分解して、酢酸、酪酸などの臭い物質を作ります。
だから、歯磨きを十分していない人のお口は臭いのです。